2024年には、暗号資産のエコシステムにとって多くの前向きな展開がありました。米国でのビットコインおよびEthereumのスポットETF(上場投資信託)の承認や、米国財務会計基準審議会(FASB)の公正会計規則の改正など、多くの点で暗号資産は引き続きメインストリームで受け入れられてきました。さらに、今年に入ってからの合法的なサービスへの流入額(年初来)は、前回の強気相場のピークであった2021年以来、最高額となっています。実際、違法な活動の総額は年初来で19.6%減少し、209億ドルから167億ドルに減少しました。これは、オンチェーンの違法な活動よりも合法的な活動の方が速いペースで成長していることを示しています。この明るい兆候は、世界的な暗号資産の継続的なアダプションを示唆しています。 これらの世界的な傾向は、日本の暗号資産エコシステムにも反映されています。特に、経済制裁対象者、ダークネットマーケット、ランサムウェアサービスなどの世界的な違法サービスに対する日本国内サービスのExposureは、全般的に低いと言えます。なぜなら、基本的に日本の暗号資産交換業者は、日本在住者のみを対象にサービス提供しているからです。しかし、これは日本で暗号資産関連犯罪が全くないということではありません。警察庁の金融情報機関(FIU)であるJAFICを含む公的機関の報告書では、暗号資産がマネーロンダリングの観点で重大なリスクがあることを強調しています。日本が国際的な不正行為に関わる組織にさらされる可能性は限定的かもしれませんが、日本独自の課題がないわけではありません。暗号資産を利用したオフチェーンの犯罪組織の活動は広く行われているものの、全てを捉えるのは容易なことではありません。 本記事では、現在日本で発生している2つの顕著な暗号資産犯罪、マネーロンダリングと詐欺について取りあげます。 暗号資産のマネーロンダリング まず、マネーロンダリングと暗号資産の関連性について見ていきましょう。暗号資産におけるマネーロンダリングは、ダークネットマーケットやランサムウェアなどの暗号資産ネイティブの犯罪による収益の隠匿と関連していることがよくあります。しかし、世界が暗号資産を受け入れ続ける限り、この強力な新技術を悪用しようとする者も現れます。2024年現在では、暗号資産を基盤としたマネーロンダリングはあらゆる種類の犯罪を網羅するようになっています。適切なツールと知識があれば、捜査官はブロックチェーンの透明性を活用して、オンチェーンおよびオフチェーンの不正行為を明らかにし対処することができます。 暗号資産ネイティブのマネーロンダリング 暗号資産で直接取得した資金の洗浄プロセスは、サイバー犯罪者がさまざまなサービスを利用して資金の出所や動きを隠ぺいするため、高度なものであることがよくあります。暗号資産に関するツールの深く理解することは、暗号資産事業者や法執行機関にとって永続的な課題となっています。 暗号資産ネイティブによるマネーロンダリングでは、最初の段階(プレイスメント)で、すぐさま直接的に暗号資産が関わります。ブロックチェーンに透明性があるとはいえ、犯罪者は、KYC(Know Your Customer)情報を必要としないプライベートウォレットを作成する方が、例えば受け子のダミー銀行口座を用意するといった従来の資金洗浄の手法よりも簡単であるため、マネーロンダリングに暗号資産を選ぶことが多いのです。 マネーロンダリングの次段階であるレイヤリングの手法には、さまざまな種類があります。 従来の法定通貨のロンダリングにおいては、複数の銀行口座やペーパーカンパニーを経由して資金を送金するといった手口がありますが、 暗号資産の場合、次のような方法が考えられます。 中間ウォレット: 追跡を困難にするために複数のプライベートウォレットを使用することで、資金洗浄のチャネルを通じて流れる資金の80%以上を占めることがよくあります。ただ、Chainalysisを使用する捜査官やコンプライアンス担当者であれば、不正行為の検出や中間ウォレットの追跡を比較的簡単に行うことができるでしょう。 資金経路を複雑にするサービス: これらのサービスはロンダリング目的で広く利用されているものの、プライバシー保護という、本来は非合法ではない名目の用途もあることに留意することが重要です。 ミキサー: さまざまなユーザーの暗号資産を混ぜ合わせ、資金の出所や所有者を分かりにくくするサービスです。マーケットの好況に伴い、2024年にミキサーの活動も活発になり始めました。 クロスチェーンブリッジ:…
※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 2024年6月14日、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、Nordic Resistance Movementを特別指定グローバルテロリスト(SDGT)グループとして制裁し、また、同グループに関連する3人の個人、 Leif Robert Eklund(スウェーデン)、Par Oberg(スウェーデン)、Tor Fredrik Vejdeland(スウェーデン、2024年3月より同運動の新たな指導者)の3名は、暴力的過激主義およびテロリズムへの関与により、制裁の対象となりました。以下で詳しく説明しますが、Nordic Resistance Movementはほぼ10年にわたり、暗号資産による寄付を受け入れ、その活動資金としてきました。 Nordic Resistance Movementとは? 同団体のウェブサイトによると、Nordic Resistance Movementは北欧諸国全体を擁護する団体で、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランドからなる統一国家の北欧民族国家を提唱しています。この団体は1997年にスウェーデンで設立され、白人至上主義や反ユダヤ主義の思想を支持していることで知られています。2020年には、その活動が「著しく法律に反する」として、フィンランドで同団体が禁止されました。 Nordic Resistance…
※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 2024年5月7日、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、ロシア国籍のDmitry Yuryevich Khoroshevが、Ransomware-as-a-Service(RaaS)であるLockBitを通じてランサムウェアを開発・配布したとして制裁措置を発動しました。この措置は、英国の国家犯罪対策庁(NCA)、米国司法省(DOJ)、連邦捜査局(FBI)、およびオーストラリア連邦警察との連携によるものです。 また、Khoroshevは、英国の金融制裁実施局(OFSI)およびオーストラリアの外務貿易省(DFAT)からも制裁を受けています。 今年初め、NCAはFBIおよび国際的なパートナーと協力し、LockBitのサーバー、公開ウェブサイト、暗号資産の多くを押収し、被害者が安全に機密データを復元するための復号鍵を入手することで、LockBitを撲滅しました。LockBitは、「Operation Cronos」の実施前に、1億2000万ドル以上の身代金を得ていました。 LockBitの活動中、KhoroshevはLockBitSuppというユーザー名を使い、ランサムウェア攻撃から個人的に利益を得るとともに、同社の管理活動を促進していました。OFACはその後、Khoroshevの資産を凍結し、渡航禁止令を発令しました。 以下では、Khoroshevがこれらの違法行為を行うために使用した、今回の指定に含まれる暗号資産アドレス、およびLockBitSuppに関連するその他のアドレスについて説明します。 KhoroshevとLockBitのオンチェーンでの活動 OFACは、Khoroshevに関連する1つの暗号資産アドレスbc1qvhnfknw852ephxyc5hm4q520zmvf9maphetc9zを特定しました。以下のChainalysis Reactorのグラフは、このアドレスのオンチェーン上の活動をより詳細に示しています。 グラフの左側から見ていくと、Khoroshevはミキシングサービスから自身のウォレットに数千ドル相当の暗号資産を受け取っていることが分かります。また、Khoroshevは、ロシアの取引所Garantex、暗号資産ミキサーSinbad、BitzlatoといったOFAC制裁対象のサービスを含む、さまざまな違法サービスに資金を送金しています。さらに、KYCプロトコルを持たない防弾ホスティングサービス、マルウェア、詐欺ショップ、地下取引所にも送金しています。 以前のブログで報じた通り、LockBitSuppはコンテストを主催し、LockBitのロゴのタトゥーの証拠を示した人たちに1,000ドルの暗号資産を提供するとされていました。 LockBitのRaaSモデルでは、通常、ランサムウェアの収益の80%がアフィリエイトに提供され、残りの20%をKhoroshevが懐に入れることが多かったのです。 NCAはブロックチェーン分析ツールを使用して、LockBitランサムウェアによる収益のうち、まだ使用または洗浄されていない2,000ビットコイン(約1億1,000万ドル相当)を含む、数百のアクティブな暗号資産ウォレットを特定・分析しました。 ロシアを拠点とするランサムウェア犯罪の監視 私たちは最近、2024年暗号資産犯罪レポートで明らかにしたように、ランサムウェアによる支払いは2023年に過去最高の10億ドル以上に達し、多くのランサムウェアグループがロシアを拠点として活動しているか、ロシアと関連していることが分かりました。この違法行為の増加は、法執行機関が国際的に協力し、ブロックチェーン分析ツールを活用してこれらの組織を壊滅させる必要性を示しています。 NCAは弊社に対し、「サイバー犯罪者が恐喝スキームで暗号資産を使用することは重大な脅威であり、ランサムウェアは英国の国家安全保障上の問題です。今日の措置は、NCAが国内外のパートナーと協力し、ランサムウェアのスキームを管理し、ランサムウェアのビジネスモデルの鍵となる存在であるKhoroshevのような人物を今後も阻止し続けることを示しています」と述べました。 本日、NCAおよび関係機関の努力を称賛するとともに、今後も可能な限り、ロシアを拠点とするランサムウェア犯罪に関する最新情報を提供していきます。弊社製品群では、関連アドレスを制裁対象のエンティティに関連付けました。…
※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。 2024年3月20日、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、ロシア連邦政府による外国での悪意あるキャンペーン(各国の政府に対する信頼を損なうことを目的とした世界中の有権者への欺瞞行為など)を支援したとして、ロシア国籍のイリヤ・アンドレーヴィチ・ガンバシゼ氏とニコライ・アレクサンドロヴィチ・トゥピキン氏、および両氏のそれぞれの企業を制裁対象に指定しました。OFACは、この指定に2つのUSDTアドレスを含め、Tetherはそれ以来、Gambashidzeのウォレットを凍結しています。 OFACが暗号資産が関与する偽情報キャンペーンに関与したロシア国民に対して措置を取るのは、これが初めてではありません。例えば2021年4月、OFACは連邦保安庁(FSB)と関連のある偽情報発信元であるSouthFrontを指定しました。また、OFACは、2016年の大統領選挙への介入に関与したことで知られるロシアのトロールファームであるインターネットリサーチエージェンシー(IRA)と関連のあるエフゲニー・プリゴジン氏のダミー会社である、自由研究・国際協力協会(AFRIC)も指定しました。 本ブログでは、今日のOFAC指定に含まれているGambashidze氏とTupikin氏のUSDTアドレスのオンチェーン活動を含め、両氏の活動について探ります。 両名がOFAC制裁対象に指定された理由 ガンバシドゼ氏はロシアを拠点とするソーシャル・デザイン・エージェンシーの創設者であり、トゥピキン氏はロシアを拠点とするカンパニー・グループ・ストラクチャLLCのCEOです。両社は、しばしばロシア政府の指示により、外国の選挙や政治的紛争に関する偽情報を拡散する個人を雇っています。 制裁対象となった両者は共同で、欧州のメディアや政府機関を装って外国の選挙に影響を与えようとしました。OFACによると、2022年末までにガンバシゼとトゥピキンは、これらの機関を装うために60以上のウェブサイトを作成し、選挙人に対して欺瞞的な情報を流す目的で、それらのサイトをソーシャルメディア上で宣伝していました。 特にガンバシゼは、ロシアの対外影響力を高めるために偽情報を流布してきた経歴があります。2023年には、欧州連合理事会がウクライナおよび西欧諸国の有権者を標的にしたとして、彼を制裁対象個人のリストに追加しました。その後まもなく、米国務省のレーダーに引っかかり、ラテンアメリカ全域に偽情報を拡散したとして、イスラエルとハマスの戦争に関するプロパガンダに転じました。 Gambashidzeのオンチェーン活動 OFACは、Gambashidzeに関連する2つのTRONネットワーク上のUSDTアドレスを記載しました。 TEFph7dZoUN5233cGEzF6XFwRpjPF8fQDS TMGLqRQ4twjW8wJhVH1mQR7nUThpGHUsN3 以下のChainalysis Reactorのグラフは、GambashidzeのウォレットがTRONネットワーク上で20万ドル相当以上のUSDTを受け取ったことを示しており、その大部分は以前に制裁を受けたロシアの取引所Garantexから直接送金されたものです。その後、彼はその資金のほとんどを大手取引所の単一の入金アドレスにキャッシュアウトしました。これらのトランザクションは、ロシア政府の違法行為へのGarantexの継続的な関与を浮き彫りにしています。 ロシアの暗号資産関連の活動を監視 OFACの今回の指定は、米国市民を不正行為者から守り、誤情報の拡散を阻止し、世界中で選挙の完全性を維持するという同機関の取り組みを明確に示しています。さらに、TetherがGambashidzeのウォレットを凍結し、2つのアドレスへのExposureの可能性からエコシステムを守るために迅速な対応を取ったことを称賛します。「Tetherは不正行為の手段ではなく、今後もそうなることはありません。制裁対象の個人に関連するウォレットを凍結する迅速な対応は、悪用防止に対する当社の積極的な姿勢を示すものです。当社は今後も、デジタル資産分野における最高水準のコンプライアンスと信頼性を維持することに専心してまいります」と、TetherのCEOであるパオロ・アルドイノ氏は述べています。 当社の製品群では、関連アドレスを制裁対象のエンティティに関連するものとしてラベル付けしています。 This website contains…
2023/11/30に米国及び日本もKimsukyに対する経済制裁を実施 2023年11月30日(日本時間12月1日)、米国の外国資産管理局(OFAC)と日本の外務省は、韓国外交部と共にKimsukyを制裁対象に指定しました。米国財務省はこの制裁に関するプレスリリースの中で、Kimsukyのサイバースパイ活動や北朝鮮の核兵器開発を支援する役割をハイライトしています。これら3カ国はいずれも、北朝鮮の核兵器プログラムに関連する、他の一連の個人や団体にも制裁を科し、オーストラリア外務省もその一部に対し措置を行いました。 OFACのKimsukyに対する制裁対象者リストの項目には、識別子としていくつかのウェブサイトと電子メールアドレスが含まれていましたが、6月の韓国による制裁指定とは異なり、暗号資産のアドレスの明示はありませんでした。 以下の元記事で詳説しているように、Kimsukyの暗号資産の使用方法は、Lazarus Groupのような他の北朝鮮グループによるハッキングとは異なります。Kimsukyは、暗号資産を直接盗み出し北朝鮮政府の資金源に当てているのではなく、マイニングや半合法的なサービス、あるいは恐喝キャンペーンのような悪質な活動を通じて暗号資産を入手し、それを主に政権のための情報収集に重点を置いた他の活動の資金源に充てています。ProofpointのSenior Threat ResearcherであるGreg Lesnewich氏は、Kimsukyの暗号資産関係する活動の詳細と、今日の国際的な取り組みが非常に重要である理由について、次のように述べました。 「他の北朝鮮の活動とは異なり、Kimsuky傘下の一団は、戦略的な情報収集を支援するために、暗号資産を使用して独自の活動資金を調達している。北朝鮮が暗号資産を入手・利用しようとする方法は多様化し、テンポも速くなっている。」 元の記事 2023年6月1日、韓国外交部は、北朝鮮のハッキンググループKimsukyを経済制裁の対象とし、それに関連する2つの暗号資産アドレスを特定しました。外交部は大韓民国国家情報院及び警察庁、そして米国の連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)、国務省(Department of State)、国家安全保証局(National Security Agency: NSA)と連携し、北朝鮮のサイバー諜報活動に関連する勧告を共同で発表しました。…
歴史的なロシア・北朝鮮の首脳会談があったなか、オンチェーンデータが不穏な情報を示しました。北朝鮮系のハッキンググループが不正な暗号資産のロンダリングのために、ロシアの取引所をますます利用しているということです。 この動きは、サイバー戦争における北朝鮮の策略について警鐘を鳴らすものです。まもなく発表予定の国連レポートでは、北朝鮮は、国が支援する世界の暗号資産や金融機関を狙うハッキンググループによるますます巧妙なサイバー攻撃によって、核兵器開発の資金を得ていると指摘されています。 Chainalysisのデータでは、Harmony Protocolから窃取された2,190万ドル相当の暗号資産が、違法取引を行っていることで知られるロシアの取引所に最近移されたことが観測されました。さらに、北朝鮮のエンティティは取引所を含むロシア系サービスをマネーロンダリングの目的で2021年から利用していることもわかっています。このような動きは、サイバーの裏社会でのロシアと北朝鮮の連携がますます強まっていることを示しています。 以下のChainalysis Reactorのグラフでは、Harmonyから盗まれた資金の一部がロシアの取引所に移転したことを示します。 この情報は北朝鮮とロシアのサイバー犯罪者達の強い連携と共に、世界の当局が抱える困難も表しています。ロシアは国際的な法執行機関に対し非協力的な姿勢をとっているため、ロシア系取引所へ送られた盗難資金の差押えの見込みを立てるのは非常に困難といえます。これまでに北朝鮮が利用してきた主要な取引所は多くの場合協力的であるものの、ロシアの取引所や法執行機関がコンプライアンスに準拠していないことがデータでわかっており、このことが資産の差押えの可能性を著しく下げています。 2023年の北朝鮮による暗号資産ハッキングによる被害額 マネーロンダリングの手口の変化が新たな複雑性を生んでいる一方で、北朝鮮によるハッキングには、第三四半期の終わりに近づいている今、逆説的なトレンドがあります。Chainalysisのデータによれば、北朝鮮によるハッキングによる昨年の被害総額は16.5億ドルでしたが、現時点で今年の被害総額は3.4億ドル超程度です。 ただ、金額ベースでは、昨年よりも北朝鮮系ハッカー資金の窃取のペースが落ちていますが、2022年は極めて盗難資金の総額が大きかったこともあり、それを超えるのは非常に難しいともいえるでしょう。 これまでの盗難資金の累計額は35.4億ドル相当となり、北朝鮮はハッキング活動の巣窟であり、今だにサイバー犯罪の世界における最大の脅威であり続けています。 今年北朝鮮が関与したハッキングによる盗難資金の総額は、今年の全体の事案の被害額のうち29.7%程度であり、2022年ほどの高い割合ではありません。 2022年の教訓: 北朝鮮のサイバー脅威は未だ継続 ハッキングによる被害総額の減少は成功の兆しとも言いたくなるかもしれませんが、2022年の被害総額がただ極めて大きかったということは忘れてはなりません。昨年は、Lazarus Groupが関与していたものも含め、多くの大規模事案が顕著に発生しいました。最も特筆すべきなのは、Play-to-Earnゲームとして人気のAxie Intifityが作ったサイドチェーンであるRonin Networkを狙った攻撃です。この事案では約6億ドル相当もの暗号資産が盗まれるという甚大な被害をもたらしました。今年の被害総額が昨年に比べ小さいことは、セキュリティの向上やサイバー犯罪の活動が減った結果とは必ずしも言えないでしょう(とはいえ、コード監査によるセキュリティ対策には気を使うべきですが)。 実際のところ、あと大規模事案が今年さらに1件発生すれば、2023年の被害総額は10億ドルのボーダーを超えることになります。オンラインでは物事が速く動きます。大規模な攻撃も一夜にして実現されます。政府機関はますます複雑化し危険性の高まる暗号資産犯罪への対策について注力すべきでしょう。 ブロックチェーン上の犯罪との戦い…
資金洗浄をもくろむサイバー犯罪者は、クロスボーダーの即時送金が可能なことや擬似匿名性に目をつけ、暗号資産を利用することが多々あります。2022年だけでも、Chainalysisは、サイバー犯罪者による違法資金が合計で238億ドルにのぼると見ています。ただし、この数字は、ランサムウェアや取引所ハッキング、暗号資産詐欺といった、暗号資産に元から密接に関わる犯罪に紐づくアドレス群から得られたものにすぎません。ほとんどの場合、この数字には、いわゆる「オフチェーン」で行われた犯罪(元々は暗号資産との関わりがない犯罪)からの資金洗浄に使われた暗号資産のケースは含まれません。 その手のオフチェーンのアクティビティを広範に捉えることは困難です。なぜなら、(明確な識別情報やコンテクストなしに)暗号資産アドレス間の資金移動を単に見るだけでは、それが違法ではない普通の取引と区別がつかないからです。しかしながら、そのようなオフチェーン犯罪に紐づく暗号資産の利用や、捜査官が当社ツールを使ってそのような犯罪資金を追跡しているという事実はあります。さらに言えば、当社の民間事業者のユーザが、そのような疑わしいアクティビティやそれに関連するアドレスやトランザクションを当社に情報共有し、それを当社や他のユーザの調査に活かせるよう、当社の識別情報に反映させることもあります。 Chainalysisを利用している日本最大手の暗号資産交換業者から情報提供頂いた事案の一例は、まさにこのことを物語ります。その暗号資産交換業者が警察からアカウントにて違法資金の日本円入金があったと照会を受けて調査したところ、その資金が暗号資産に換えられて出金されていたというものです。本記事では、オンチェーンでのマネーロンダリング手法を解説したうえで、そのような事案に対しどのように暗号資産交換業者が手を打つべきなのかを論じます。 日本で発生しているオンチェーンでのマネロンの動き ここで取り上げる疑わしいアクティビティは、当社ユーザである暗号資産交換業者(取引所)からの情報提供により判明したものです。元々その取引所は、アカウントが詐欺による資金の受け口になっていると法執行機関から照会を受けていました。その詐欺の詳細については正確にはわからないものの、近年日本国内で問題となっている特殊詐欺に関連するものと推定できます。例として、区職員を騙った詐欺や保険を騙った詐欺、そして闇バイトの問題などは、これまでニュースで取り上げられてきています。 この事案に関わった犯罪グループは、違法に得た日本円を暗号資産に換えたあと、複数のプライベートウォレットに送り、最終的には現金化が可能な他の取引所に移しています。この動きは、以下のChainalysisのグラフで見てとれます。 このグラフの左上部分に着目すると、この事案を報告した取引所から一連のプライベートウォレットへの資金移動が見られ、一般的なマネーロンダリング手法である「プレイスメント」や「レイヤリング」のような動きと捉えられます。これらはその取引所が当社に情報提供したアドレスのトランザクションであり、不正アカウントに紐づくものです。当社はこれまでにこのような特殊詐欺の資金の第一ホップとなるプライベートウォレットを識別していますが、こうすることによって、他の国内取引所も識別済不正アドレスへの送金ユーザを検知しやすくなります。 起点である取引所から出金される際、その資金は複数の中間ウォレットに拡散され(グラフのStep 1、2から見てとれるレイヤリングの動き)、その後たった一つのプライベートウォレットに集約されています(Step 3)。このように、多数のウォレットに一度拡散した資金が、その後一点に集約されるのは、当社が観測している過去の事例からみても、典型的なマネーロンダリングのパターンといえます。そこから、資金はさらに多数のウォレットに送られますが(Step 4)、おそらく現金化のために最終的には主要取引所のたった一つの入金アドレスに集約されています(Step 5では、マネーロンダリングの「インテグレーション」として知られる手法が見てとれる)。 マネーロンダリングの目的で取引所アカウントを用意するのは真新しいことではありません。日本では、あるネット銀行が、新規口座開設から1ヶ月間は暗号資産交換業者への日本円送金を制限するという措置をとっています。また、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は、このような犯罪についての注意喚起及び手法の解説を最近発表しました。 警察・金融機関・暗号資産交換業者間の連携 今回のケースは、警察や銀行、暗号資産交換業者、そしてChainlysisの間での強い連携を示した事例です。今後も、犯罪の発生場所がオンチェーンであるかどうかに関わらず、暗号資産に関連する犯罪に対抗するための組織間連携はますます重要となるでしょう。当社としても、関連情報を関係組織に適切に提供し、製品やデータの質を継続的に向上させていきます。 This website contains links to…
2023年5月23日、米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control :OFAC)及び韓国外交部は、北朝鮮の不正な資金調達スキームに関与した法人や個人に対し経済制裁を行ったことを発表しました。 北朝鮮が仕掛けたハッキングに関与したとして3件の北朝鮮の組織が制裁対象となり、その中には、サイバー攻撃を担当する部署として知られる110th Research Center(Lab 110)や、その親組織である朝鮮人民軍偵察総局第三局(Techincal Reconnaissance Bureau)が含まれています。これらの組織は共に、ここ数年に渡り暗号資産ハッキングを仕掛けているLazarus Groupなどの部隊のハッキング活動を監督・支援しています。OFACはプレスリリースにて、Lab 110が2013年に韓国の政府機関に対して行われたDarkSeoulマルウェア攻撃に関与していたとしており、長年サイバーセキュリティ界隈にあった疑念に対して明確な答えを出したことになります。 また、OFACと韓国外交部は、Chinyong Information Technology Cooperation Company、もしくはJinyong IT…
2023年4月24日、米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control :OFAC)は、北朝鮮の大量破壊兵器やミサイルへの資金供与に関わるマネーロンダリングに関与し、中国で活動していた3名を経済制裁の対象に指定しました。制裁対象となった3名のうち、制裁対象リストに暗号資産アドレスが含まれるのは2名です。また、米国法務省(Department of Justice: DOJ)は、そのうちの1名を同日公開された訴状にて起訴しました。 本ブログ記事では、3名の被疑者と制裁措置の詳細について説明し、北朝鮮による暗号資産のマネーロンダリングのプロセスについての新たな情報を取り上げます。 告訴及び制裁措置の対象となったのは何者か? OFACによって経済制裁の対象となったのは、Wu Huihui(Wu)、Cheng Hung Man(Cheng)、Sim Hyon Sop(Sim)の3名です。このうち、Simはマネーロンダリングの疑いで、DOJに起訴されています。 Wuは、中国で活動する暗号資産OTC(相対取引)トレーダーであり、北朝鮮のサイバー犯罪組織であるLazarus Groupと活動する北朝鮮のアクターのために、窃取された数百万ドル相当の暗号資産を法定通貨に換えていました。 Chengは、香港で活動するOTCトレーダーで、Wuの活動に直接協力していました。ダミー会社を使い、ChengとWuは、北朝鮮が米国の経済制裁をかいくぐり、暗号資産(その多くはハッキングで盗難されたもの)を法定通貨に換えるのを支援しました。…
先週は 3 行の中堅銀行が破綻し、パニックによる大規模な銀行倒産が懸念される状況となりました。現在も不安は残るものの、週末に閉鎖されたSilicon Valley Bank シリコンバレー銀行 (SVB)、Silvergate Bank シルバーゲート銀行、Signature Bank シグネチャー銀行 、3 銀行の預金者は、資金を利用できるようになる見込みです。 3 行の破綻は、いずれも暗号資産に大きな影響を与えるものです。USDC発行元のCircleは、シリコンバレー銀行に 33 億ドルを預金しており、これはUSDCのビジネスの裏付けとなるドルの約 8% を占めています。このような預金に関する懸念により、USDCでは週末にペッグが機能しない状況となりました。その後ペッグは回復しましたが、この事象は、ステーブルコイン発行者やその他の暗号資産ビジネスのオフチェーン カウンターパーティー…
ロシアによるウクライナ侵攻の開始から 1 年が経過する中、数百万もの人々が家を失い、主要都市は砲撃を受け、ロシアとNATOの間の争いはさらにエスカレートしています。2023 年になってロシアは、ウクライナ東部ソレダルなどへの攻撃を再開。米国と英国はウクライナに武器供与の意向を表明し、プーチン大統領は米ロ核軍縮条約の履行停止を発表しました。 Chainalysisにとって、この 1 年という節目は、良くも悪くもロシアとウクライナの戦争で暗号資産が果たした大きな役割について振り返ってみるきっかけになりました。以下では、ランサムウェア攻撃や制裁逃れといった悪意のある行為から、被災地への寄付の促進といった前向きな利用例に至るまで、暗号資産が両国民に与えた影響に関するデータをご紹介します。この分析から、暗号資産が世界経済、特に東欧においてどのように浸透しているか、またこのような激動の時代における国境を越えた支払いでのその独自の有用性が明らかになります 暗号資産の寄付を募る親ロシア派グループ Chainalysisは、侵攻開始からおよそ 5 か月後に、ロシア軍の軍事物資購入のクラウド ファンディングや虚偽情報の拡散、さらに侵略支持のプロパガンダ作成などに取り組む 54 のボランティア グループを特定しました。侵攻開始以前の金額も一部含まれていますが、これらの組織が受けた寄付は、その時点で約 220 万ドルにも上っています。侵攻開始から 1 年が経過した現在では、特定できる親ロシア派の団体の数は約 100…
2023 年 2 月 6 日にトルコとシリアで発生した壊滅的な地震による死者は、現時点で 4 万 7,000 名に上り、世界の多くの人々が無力感を抱いています。このような惨状に加え、両国の政治的緊張によって物流が困難となり、いずれの国の犠牲者も援助を受けることが困難な状況に陥っています。このような規模の人道的危機が発生すると、人々が救援活動に寄付したいと望んでも、どこに寄付したらよいのか分からなくなることが少なくありません。最大の関心事は、どうすれば資金を本当に必要な人にできるだけ早く届けることができるかということです。 このような時勢において、暗号資産は人々への迅速な支援に向け、重要な役割を果たしてきました。例えば、何百万ドルもの暗号資産がウクライナ支援のため提供されています。暗号資産の利用者は、ロシアによるウクライナ侵攻開始直後の 2022 年 3 月 28 日時点で、既に 5,600 万ドル相当以上の暗号資産をウクライナ政府が用意したアドレスに寄付しているほか、デジタル通貨を受け入れる慈善団体への寄付も行っています。トルコ・シリア大地震の犠牲者救済に対しても、暗号資産が同様の役割を果たせる可能性があります。 Chainalysisでは、現在までに約…
OECDは、納税者が居住国以外の暗号資産に投資する際に、税務当局が税規則を管理するのに役立つよう設計されたフレームワークを発表しました。このフレームワーク”CARF (Crypto-Asset Reporting Framework”)(暗号資産等報告枠組み)は、暗号資産取引所(および顧客に代わって暗号資産を取引する特定の企業)に対して、以下の情報を各税務当局に報告するよう求めています。 顧客の属性 取引の情報 個人ウォレットへの送金 各税務当局は、暗号資産投資家の税務上の居住者である国の税務当局へこれらの情報を送ります。 例えば、オーストラリアの税務当局は、英国の納税者がオーストラリアの取引所で行った暗号資産取引の情報を英国の税務当局に送信することになります。こうした取り組みは、株式や債券などの伝統的な金融資産に対する、国境を越えた投資活動における要件と一致します。 従来の取り組みについては、Common Reporting Standard (100カ国以上が加入)およびFATCAを参照してください。 CARFは、米国や他の国で開発中のデジタル資産に関する情報報告フレームワーク(CARFの追加要件)と同様に、次の3つの事象に対応しています。 多くの国内納税者が暗号資産取引から生じる納税義務を満たしていない可能性があると公に報告されていること デジタル資産を含む活動の大部分が本質的に国境を越えて行われていること 多くの納税者が暗号資産を自己保管し、あるいは個人ウォレットから取引していること。 CARFには、4つのパートがあります。 対象となる暗号資産 データ収集・報告義務の対象となる事業体及び個人…
2020年末に大きな伸びを示したビットコインやイーサリアム等の暗号資産は、2021年には史上最高値を更新するなど、非常に好調な1年となりました。それでは、暗号資産の価格上昇によって、最も恩恵を受けたのは誰でしょうか?Chainalysisは、昨年に続き今年も、地理的な観点からデータを分析し、国ごとの暗号資産の実現利益に関する比較を行いました。特に今回は、前年とは異なり、分析対象をビットコインに限定せず、Chainalysisが追跡する全ての暗号資産に関する実現利益へと範囲を拡大し、データを分析しました。 国別暗号資産利益の算出:Chainalysisの手法 暗号資産は、その分散化した特性により、地理的な分析を行うことが容易ではありません。しかし、Chainalysisが保有する取引データとウェブ・トラフィックデータを組み合わせることで、どの国が暗号資産のアクティビティに寄与しているかという点を、適切に見積もることが可能となります。 まず、Chainalysisが追跡している全ての暗号資産ビジネスを対象に、全暗号資産のブロックチェーン上のフローをマクロレベルで測定します。次に、引き出し資産および預け入れ資産の価値の差額合計を米ドルで算出することにより、それぞれの資産で得られた総利益を推計します。さらに、各取引所のウェブサイトにおいて各国が占めるウェブ・トラフィックの割合に基づいて、これらの利益(または損失)を国別に分配します。この方法は完璧なものとは言えません。理想的には、サービス単位ではなく、個人またはウォレット単位で利益を計算するやり方が考えられますが、今回のやり方では、特定の国の暗号資産ユーザーの総利益を合理的に見積もることができます。取引データとウェブ・トラフィックを組み合わせるという形態は、Chainalysisが毎年の「Global Crypto Adoption Index(世界暗号資産導入指標)」の計算に使用しているフレームワークと同じものです。 国別暗号資産実現利益(2021年) Chainalysisが追跡する暗号資産全体で見ると、全世界の投資家が手にした総実現利益は、2020年の325億ドルから、2021年には1,627億ドルへと拡大しています。以下のグラフは、このような利益獲得の上位50ヶ国を示したものです。 2021年 暗号資産総実現利益(推定) 米国が暗号資産から得た実現利益は470億ドルとなり、全体の中で大きな割合を占め、他を引き離しています。さらに、英国、ドイツ、日本、中国と続きます。しかし、昨年同様、暗号資産への全体的な投資パフォーマンスが、従来の経済発展指標の順位を上回っていると思われる国が多数見られます。 トルコのGDPランキングは、11位となる2兆7,000億ドルですが、暗号資産の実現利益は46億ドルで、6位にランクインしています。 ベトナムのGDPランキングは、25位となる1兆1,000億ドルですが、暗号資産の実現利益は27億ドルで、16位となっています。 ウクライナのGDPランキングは、40位の5,760億ドルですが、暗号資産の実現利益は28億ドルで、13位となっています。 チェコのGDランキングは、47位となる4,600億ドルですが、暗号資産の実現利益は19億ドルで、19位となっています。 ベネズエラのGDPランキングは、78位となる1,440億ドルですが、暗号資産の実現利益は11億ドルで、33位となっています。 このような傾向は、Chainalysisの「Geography of Cryptocurrency Report(暗号資産の地理学レポート)」の分析結果と一致しています。このレポートでは、送金や通貨切り下げへの対応策として暗号通貨を採用している新興市場国の数を調査しています。…
本日は、暗号資産犯罪との戦いにおける非常に重要な日となりました。米国の複数の法執行機関とドイツの連邦警察の協力によって、ロシアを拠点とした、収益で世界最大のダークネットマーケットと言われる「Hydra Market」が閉鎖に追い込まれました。 さらに同日、米国司法省はHydraの主要なオペレータの1人を告訴し、また米国財務省外国資産管理局 (OFAC) はHydraを制裁対象として、100を超える暗号資産のアドレスをSDNリストに追加しました。同時にOFACは、以前Chainalysisがマネーロンダリングにおける役割を調査した、ロシアの暗号資産取引所であるGarantexについても制裁対象としました。 OFACが指定した全てのアドレスは、Chainalysis製品にて織別が付けられ、KYTをご利用のお客様には、設定に応じて「制裁対象」のアラート (sanctions alert) が表示されるようになります。 以下で、HydraおよびGarantexの違法行為を分析し、またOFACがリストに掲載した制裁対象アドレスを共有します。 Hydraとは? Hydraはロシア語圏だけを対象としているにも関わらず、ここ数年にわたり、突出して規模の大きいダークネットマーケットとなっています。 2021年、Hydraは全世界のダークネットマーケットの収益の75%に相当する、17億ドル相当の暗号資産を受け取っています。 Hydraはまた、その洗練された運営方法でも有名です。例えば、Uberに似た仕組みによって匿名の運び屋を手配して麻薬取引行ったり、買い手が人里離れた森に現金を埋め、売り手が後からそれを掘り出すといった、非接触型の手法で麻薬取引を行っています。Hydraは、ダークネットマーケットにおける取引の機密性やセキュリティを熟知しています。 Hydraやそのベンダーは、厳密なコントロールと管理が行われているインフラストラクチャーに備えられた複数の事前承認済みサービスを使って、ベンダーやサイバー犯罪者が暗号資産をロシアルーブルに換金できる、マネーロンダリングサービスを提供しています。 Hydraでマネーロンダリングサービスを提供するベンダーの例 実際に2020年、Hydraは他のダークネットマーケットや、盗難資金を保持したウォレット、ランサムウェアのオペレータ、詐欺などから、6億4,500万ドルに相当する暗号資産を受け取っています。 暗号資産を使った制裁回避に関する最近の懸念を考えれば、Hydraの閉鎖と制裁措置は正に最適なタイミングでの対応と言えます。このプラットフォームが提供するマネーロンダリングサービスが、制裁対象となっているロシアの企業や個人に便宜を供与している可能性があるからです。これらの対応に加え、米国の司法省は、ロシア在住のDmitry Olegovich Pavlovを、麻薬の流通とマネーロンダリングを目的にHydraの運営に関わった容疑で告訴しました。2015年以来、Pavlovは自身の会社であるPromservices…