Public Key ポッドキャスト

日本における暗号資産規制の先進的取り組み:ポッドキャスト第167回

※この記事は自動翻訳されています。正確な内容につきましては原文をご参照ください。

Mt.Goxの破綻は、世界中の規制当局に対してデジタルアセットをもはや無視できないという現実を突きつけました。特に日本の金融庁はこのメッセージを最も強く受け止めた機関の一つです。

本エピソードでは、ChainalysisのAPACポリシー責任者であるChengyi Ongが、金融庁 総合政策局総務課国際室 国際企画調整官/国際資金洗浄対策調整官 の牛田遼介氏と対談しています。暗号資産規制分野における金融庁の先駆的な取り組みや、日本がイノベーションとリスク低減の両立に成功した背景について、多角的な視点から掘り下げています。

エピソードはSpotifyAppleAudibleにて配信中です。また、各サービスにて購読も可能です。対談の内容は下記の対談全文でご確認いただけます。

Public Key エピソード167:日本の暗号資産規制における革新的な歩み

Mt.Goxの破綻をきっかけに、世界各国の規制当局はデジタルアセットを無視できない存在として認識するようになりました。中でも、日本の金融庁はその重要性を最も強く認識し、積極的な対応を進めてきました。

Chainalysis APACポリシー責任者であるChengyiと、金融庁 総合政策局総務課国際室 国際企画調整官/国際資金洗浄対策調整官 牛田遼介氏の対談では、金融庁が暗号資産規制分野で果たしてきた先駆的な役割と、日本がイノベーションとリスク低減のバランスをどのように実現してきたのかについて、多角的な視点から意見交換が行われました。

この対談の中で、牛田氏は規制とイノベーションの目標を両立させるために重要となる、省庁間の連携を含めた日本独自の包括的デジタルアセット戦略の進化についても言及しています。また、ステーブルコイン規制、暗号資産をめぐる政策の国際的な調和、そしてサイバー脅威によるセキュリティ課題への対応といったテーマも取り上げられ、日本がフィンテックおよびデジタルアセット分野で採用してきた多面的なアプローチも紹介されました。

今回の印象的な一言

 ”日本の暗号資産の歴史は2014年から始まりました。当時、東京に「Mt.Gox」というbitcoin取引所があり、世界のbitcoin取引の70%以上がこの取引所で行われていました。しかし、金融庁(JFSA)はその事実を全く把握していませんでした。ところが突然、およそ5億米ドル相当のbitcoinが失われる事件が発生しました。この出来事をきっかけに、2016年には暗号資産サービスプロバイダー向けの新たな規制枠組みが創設されました。”
 牛田遼介氏 金融庁 総合政策局総務課国際室 国際企画調整官/国際資金洗浄対策調整官

トピック時系列リスト(数字は何分目かを表示)

2 | 牛田遼介氏のブロックチェーンに関する取り組みは、金融庁におけるイノベーション推進の先導役としての活動に代表されます。

4 | 日本では、マウントゴックス事件を契機に、暗号資産規制が世界的にも早期に導入されることとなりました。

7 | 日本がデジタルアセット規制の先駆的な当局となったことで、早期導入ならではのメリットと課題の双方が浮き彫りになっています。

10 | 暗号資産分野では、自主規制団体の活動や官民連携による取り組みを通じて、コンプライアンス体制の強化が進展しています。

14 | 日本は、ブロックチェーン技術を国際送金や知的財産権の移転など、国境を越えたユースケースに積極的に活用し、その可能性を探求しています。

19 | 近年発生している大規模な暗号資産ハッキングを受けて、消費者保護と国家レベルのセキュリティ対策がさらに重視されています。

24 | Japan Fintech Weekは、グローバルなイノベーションとネットワーキングの場として広く認知され、業界の最新動向を共有する重要な機会となっています。

28 | ステーブルコインやAI、暗号資産領域におけるグローバルな規制対応、金融犯罪対策は、依然として大きな課題です。

33 | 暗号資産業界では、「使い古された言葉」の再考や、規制分野の優先事項整理、そして将来のフィンテック分野に向けた新たな展望が注目されています。

関連資料・リンク

Check out more resources provided by Chainalysis that perfectly complement this episode of the Public Key.

本日の対談者

This website may contain links to third-party sites that are not under the control of Chainalysis, Inc. or its affiliates (collectively “Chainalysis”). Access to such information does not imply association with, endorsement of, approval of, or recommendation by Chainalysis of the site or its operators, and Chainalysis is not responsible for the products, services, or other content hosted therein.

Our podcasts are for informational purposes only, and are not intended to provide legal, tax, financial, or investment advice. Listeners should consult their own advisors before making these types of decisions. Chainalysis has no responsibility or liability for any decision made or any other acts or omissions in connection with your use of this material.

Chainalysis does not guarantee or warrant the accuracy, completeness, timeliness, suitability or validity of the information in any particular podcast and will not be responsible for any claim attributable to errors, omissions, or other inaccuracies of any part of such material. 

Unless stated otherwise, reference to any specific product or entity does not constitute an endorsement or recommendation by Chainalysis. The views expressed by guests are their own and their appearance on the program does not imply an endorsement of them or any entity they represent. Views and opinions expressed by Chainalysis employees are those of the employees and do not necessarily reflect the views of the company. 

対談全文


Chengyi Ong(Chainalysis APACポリシー責任者、以下「Chengyi」)
牛田遼介氏(金融庁 総合政策局総務課国際室 国際企画調整官/国際資金洗浄対策調整官、暗号資産コンタクト・グループ(Virtual Asset Contact Group)共同議長、以下「牛田」)

Chengyi
本日は、日本の暗号資産規制について詳しくお伺いできればと思います。日本は世界的にも規制面で先進的な事例が多い印象ですが、これまでの歩みや特に印象的な出来事について教えていただけますか。
牛田
確かに日本は早い段階からbitcoinなどの暗号資産が認知され、市場も拡大してきました。しかし、その過程で2014年のMt.Gox事件が発生し、当時bitcoin取引の約7割がMt.Goxで行われていたため、大きな影響を受けました。これをきっかけに、金融庁として暗号資産サービスプロバイダーに対する免許制度導入など、迅速な規制体制の整備に踏み切りました。
Chengyi
大規模な事件が規制強化の転機となったのですね。その後も規制は進化を続けているのでしょうか。
牛田
はい。2016年には新たな枠組みが法律化されましたが、その後コインチェック事件なども発生しましたので、2019年にはコールドウォレット保管義務や投資家保護の強化、セキュリティトークンのルール化など、継続的な見直しを進めてきました。2022年にはステーブルコインの規制も導入しています。今では暗号資産、ステーブルコイン、トークン化証券を網羅する包括的な規制体系を持つ国と言えます。
Chengyi
なぜここまで規制を強化する必要があるのか、背景を教えていただけますか。
牛田
根底にはAML、すなわちマネーロンダリング対策や消費者保護の必要性があります。また、日本が世界に先駆けて制度設計することで、他国のモデルとなりうる点や、国際基準の策定に寄与しやすい点も大きなメリットです。ただし、技術やビジネスモデルの変化が極めて速いので、今作った枠組みがすぐに時代遅れになるリスクも常に意識しています。
Chengyi
環境変化への対応として、どのような工夫をされていますか。
牛田
暗号資産を取り巻く環境は非常に流動的で、毎年のように新しいトークン、サービスが誕生します。このため、法改正やガイドラインの見直しも毎年行っています。また、日本独自の特徴として、自主規制団体による業界自主規制も重視しており、例えば少額取引に関するルールなど法律で厳格に定めない領域も自主的な基準でカバーしています。
Chengyi
官民連携についても関心があります。日本ではどのような取り組みがありますか。
牛田
企業や業界団体と政府が連絡を密に取りながら、規制とイノベーションのバランスを模索しています。特にWeb3やデジタルアセットについては、省庁間でも金融・税制・技術・知財といった分野横断の議論を強化しています。各省庁や業界専門家との連携は、日本の政策決定プロセスの特徴のひとつです。
Chengyi
現状、最も課題だと感じられている点は何でしょうか。
牛田
やはり、金融犯罪への対応は喫緊の課題です。近年、北朝鮮によるハッキングや詐欺、ランサムウェアによる暗号資産の悪用が増えています。DMMビットコインやBybitのようなインシデントは、コールドウォレットでの保管だけでは資産の安全性が十分ではないことを示し、運用やガバナンスそのものの見直しが不可欠だと考えています。
Chengyi
ステーブルコインの規制については国際基準との調和も話題となっていますが、日本の取り組みと今後の理想を教えてください。
牛田
日本は比較的早期に規制の枠組みを作りましたが、世界でも同様の動きが広がっています。最終的には国際的に調和した基準が目標ですが、各国でリスクや政策目的が異なります。そのため、FATFやIOSCOといった国際組織を通じて、共通の最低基準の構築と各国調整を進めています。
Chengyi
規制だけでなく、業界やコミュニティ自らの基準作りも重要かと思います。この分野ではどのような動きがありますか。
牛田
「ブロックチェーン・ガバナンス・イニシアチブ(BGIN)」のような国際的な取り組みが代表的です。規制当局、業界、開発者など多様なステークホルダーが協働し、ガバナンスや標準化に取り組んでいます。こうした自律的な基準策定は規制一辺倒では対応できない技術進化への柔軟な対応策となっています。
Chengyi
日本開催の国際イベントについてもご紹介いただけますか。
牛田
「Japan Fintech Week」など、産官学の連携による国際的なネットワーキングイベントを開催しています。フィンテックやデジタルアセットをテーマに、国内外の実務家・規制当局と具体的な事例や課題を議論します。来年のテーマには「具体的なユースケース」と「調和」を掲げており、AIとブロックチェーン、ステーブルコインの活用など、規制と最新技術の関わりも取り上げる予定です。
Chengyi
最後に、金融犯罪対策や犯罪抑止の観点で注目されている点を教えてください。
牛田
暗号資産を利用した投資詐欺やロマンス詐欺、ランサムウェアといった犯罪が増加傾向にあります。犯罪収益のオンチェーン追跡や、その送金ルートの遮断によって犯罪活動の再発を抑止する取り組みが重要だと考えています。
Chengyi
今後の規制でキーワードになるものは何でしょうか。
牛田
ポイントは「調和(ハーモナイゼーション)」です。そして多様なユースケースの創出にも大いに期待しています。金融イノベーションとリスク管理の両立した、健全なエコシステムの実現に向けて、今後も官民一体で取り組む必要があります。
Chengyi
とても参考になりました。本日はありがとうございました。
牛田
ありがとうございました。